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医療法人東西医会 小泉医院遠絡医療

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遠絡Q&A

難病指定医·遠絡指導医による
遠絡医療・バイオレゾナンス
EAT. ア-ユルヴェ-ダ. リハビリ

の診療をしている総合医院です

遠絡療法の作用機序
遠絡と鍼灸の違い
遠絡療法への質問·疑問
遠絡の適用疾患

Q1なぜ遠絡療法は難治性症状を改善できるのでしょうか?

遠絡療法はなぜ痛み、痺れ、身体不調に効くのでしょうか

  1. Ⅰ東洋医学の原理の利用
  2. Ⅱ西洋医学の知識の応用
  3. Ⅲ遠絡医学に独自な理論
  4. Ⅳ遠絡療法の治療メカニズム

 を順番に解説します

Ⅰ·東洋医学の原理の利用

~古典「易経」を応用~

古来より、十二経絡は十二支の時間に配当されています。例えば、昼3時~5時は、膀胱経の経絡の気血が一番充実する時間帯です。膀胱経の経絡の病のときは、昼3時~5時の間に治療すると良いとされています。十二経絡の流れ(子午流注):肺経→大腸経→胃経→脾経→心経→小腸経→膀胱経→腎経→心包経→三焦経→胆経→肝経→肺経、、、、以下繰り返して体内を循環しています。

遠絡療法では、この流れについて研究を重ね、臓腑通治、表裏、遠絡同名、同名などの関係性を用いて、実や虚などの問題のある経絡と、別の健全な経絡につないで治療する方法を開発しました。

1-子午流注(しごるちゅう)の流れを利用

子午流注(しごるちゅう)は中国の医学書「黄帝内経」に記載されています。24時間の臓腑気血の運行リズム、気の循環、気血旺盛な時間帯を示します。遠絡療法では、子午流注原理の応用にて、例えば、手関節TyⅡ/aの痛みは、痛くない足関節AyⅡ/aの接経で治療することが可能です。

2-陰陽五行の関係を応用

陰陽五行とは、宇宙を木、火、土、金、水、の5つの相から成り立っているとする東洋医学の考えです。

木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生じる。木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰(土)が生じ、土が集まって山となった場所から鉱物(金)が産出し、金は腐食して水に帰り、水は木を成長させるという母子の関係 (右図の緑の矢印線)があるとされています。

また、水は火を消し、火は金を溶かし、金で出来た刃物は木を切り倒し、木は土を押しのけて成長し、土は水の流れをせき止めるという相克の関係などがあるとされています。(右図の黒の矢印)

遠絡医学では陰陽五行図より、さらに相生関係を踏まえた六行図を展開し、新たに相補の関係、補強の関係を生かした治療を確立し、ライフフロー調節による効果を一層発揮できるようになりました。

3-遠絡の病態·病理解析  陰陽五行

五行図は、地球上の森羅万象、出来上がった自然の関係性を現したものであり、既に循環している関係図です。

遠絡療法では、治療を組み立てるためのライン間の病態、病理解析に、陰陽五行の関係を使用します

4-遠絡の治療計画  陰陽六行

陰陽六行は、遠絡医学の研究過程で発見されました。従来の東洋医学の陰陽五行説の限界を超えた独自の関係図です。太陽系における地球の誕生から万物が生み出される関係性が現されています。万物の循環が始まる関係図であり、生み出される関係図です。この関係性の発見のおかげで、従来の東洋医学理論を超えた遠絡独自の治療が可能になりました。

Ⅱ·西洋医学の知識を応用

~西洋医学的知識を踏まえ、症状から中枢の障害を診断・治療~

視床下部は生命維持の中枢であり、自律神経系の中枢です。内臓の働きや、血圧や体温などを無意識下で調節し、ホメオスタシス(恒常性)を維持しています

視床は中枢神経系で最大の神経核であり、感覚、運動情報の中継核として働きます。特に視床の前核群は記憶や情動に関与し、大脳辺縁系における中継核でもあります。

不随意運動は、大脳基底核や錐体外路系の異常により生じることが多いと考えます。大脳基底核に異常があると、動作の解離性運動障害が見られ、動作緩慢になります。大脳辺縁系に異常があり解離性障害が生じると、表情、言葉、思考、感情の鈍磨が症状として現れます。

姿勢を制御するには、大脳皮質から大脳基底核へ、大脳基底核から視床へ、視床から大脳皮質へと戻る情報伝達ループに関与します。

1-12脳神経からの症状(代表例)

Ⅰ嗅神経 嗅覚異常
Ⅱ視神経 視力
Ⅲ動眼神経、
Ⅳ滑車神経
複視、眼球運動
Ⅴ三叉神経 顔の触れない痛み、奥歯の激痛、頬、下顎の激痛
Ⅵ外転神経 眼球外転
Ⅶ顔面神経 顔面の歪みと突っ張り感、顔面麻痺、dry eye、dry mouse、甘みの異常(舌前2/3)、眼輪筋麻痺
Ⅷ内耳神経 耳鳴り、めまい
Ⅸ舌咽神経 塩辛味覚異常(舌後1/3)
Ⅹ迷走神経 内臓症状、便秘、吐気、胃痛、腹部膨満、血圧、食欲
XI副神経 肩コリ、頸部後屈困難
XII舌下神経 舌の偏位

2-遠絡療法独自のレーザー光の利用

レーザー(LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation誘導放射による光の増幅)は、単一の波長で同じ位相の電磁波で、真っ直ぐ進み、一点に集中させやすい特徴があります。

遠絡療法では、治療に適した波長のレーザー光を、患部ではなく独自の治療ポイントに使用することで患部への直接照射より高い効果を発揮させます

中枢における半導体レーザー治療要点
  1. ①水溝:
    三叉神経第2枝の眼窩下神経の枝
    顔面神経の頬筋枝
     齦交:
    三叉神経第2枝の上顎神経の前上歯槽
  2. ②承漿:
    顔面神経、オトガイ神経
  3. ③廉泉:
    頸横神経(頸神経叢の皮枝)
    深層に舌下神経の枝
  4. ④天突:
    内側鎖骨上神経(頸神経叢の皮枝)
1)水溝 の治療で影響を及ぼす部位(督脈起始)

三叉神経系から痛覚入力を受ける三叉神経複合核は、三叉神経視床路、三叉神経網様体路、三叉神経視床下部路、三叉神経中脳路、三叉神経結合腕傍核路、三叉神経孤束路の6つの伝導路を経て上位の中枢へ痛覚情報を伝えます。

2)承漿の治療で影響を及ぼす部位(任脈起始)

大脳皮質からの投射(皮質核路)顔面上半の表情筋を支配する顔面神経核は、両側の大脳皮質からの投射をうけるが、顔面下半の表情筋を支配する顔面神経核は、反対側の大脳皮質のみからの投射を受けます。

顔面神経運動核への投射には以下のようなものがあります。三叉神経脊髄路核からの二次性ニューロン、これは角膜反射などの三叉神経顔面反射にかかわります。皮質延髄路からの直接投射、これは左右両側性に投射します。皮質延髄路から網様体を経由した間接投射も存在します。交叉性の赤核延髄路からの投射は背内側核と中間核(すなわち上部顔面筋を支配する部位)にのみ投射しています。中脳網様体からも同側性に投射があります。聴神経の二次あるいは三次ニューロンも顔面神経核に投射すると考えられています。

3)廉泉の治療で影響を及ぼす部位(Atlas起始)

広汎性侵害抑制(DNIC)の起始核は延髄背側網様亜核にあります

下行性疼痛抑制系の起始核は中脳水道中心灰白質にあります

アトラスの治療は痛み抑制の要、延髄背側亜核と中脳水道
中心灰白質の治療にあたります(推測)

遠絡療法におけるアトラスの治療は、両者に刺激を与えることによって強い鎮痛効果を得ていると考えられます。

4)天突の治療で影響を及ぼす部位(三陽五会)

鳩尾を押したまま、任脈の天突にレーザーを当てることによって、督脈の大椎に治療効果を発揮できます。

大椎は, 第7頚椎棘突起、第1胸椎棘突起間にあり、ここは、たくさんの経絡が交会穴(三陽経、肝経、督脈)であるので、「三陽五会」とも呼ばれています。

特に頚椎に関連する上肢領域、関節領域に今までの治療経験で治療効果を確認できます。

Ⅲ·遠絡医学の臨床研究による
独自の展開理論

~1本鍼による1万例以上の臨床研究データから見つかった法則を体系化~

生体の流れ(ライフフロー)の説明

1-陰陽六行の関係を発見

陰陽五行においては「水は木を成長させる」などの母子関係がありました。

遠絡医学は、従来の東洋医学の陰陽五行の矛盾点から、更に君火→相火→水→土→木→金→君火、、、の陰陽六行の関係を開発、例えば「水と土で木を成長させる」などの「親子関係」を創生しました。

この新しい六行図の親子関係を利用し、子午流注から導かれた治療法に加え、さらに遠絡独自の治療法が開発されました。

そして、連接法、相輔、補強法、相克法、牽引瀉法、増流処置など6つの治療法の組み合わせにより、詰りや滞りのあるライフフローを開通、回復、促進することが可能になりました。

2-アインシュタインの相対性理論を応用

生命は、最もエネルギーに満ちた状態で生まれ老化にて死んでいきます。

身体は時間の経過と共に虚、低下症に進行して行きます。そして、病によりライフフローに虚の状態や虚による相対的実が発生すると、身体には副交感神経の低下による相対的交感神経の亢進による症状が現れます。

症状より、虚症、相対的実症、或は副交感神経低下症による相対的交感神経亢進症の病態を診断し、遠絡治療の手技(瀉法或は補法)を選別します。

その結果、病態を踏まえた根本からの症状の改善をすることが可能となります。相対性理論を応用することで、より高い次元からの治療が可能となります。

3-アトラス(頸髄·延髄の境)の障害による中枢の病態理論の構築

アトラスのライフフローが詰まると下位脳の諸症状が発生します。

ライフフローの詰まりがアトラス近辺で発生すると、柔らかい間脳(視床、視床下部、脳下垂体など)に影響します。

更に進行し、延髄近辺に炎症などが波及すると、十二脳神経の圧迫症状が生じます。髄液の代謝が影響を受け滞ると、上肢の脱力感、下肢の脱力感、感情鈍痲、解離性運動障害などが発生すると考えます。

このような、中枢の病態を踏まえた治療により、上位中枢からの諸症状の治療が可能となりました。

4-中枢(脊髄レベル)と局所(身体各部位に表れる
疼痛点)の対応関係の発見

例えばゴルフ肘、上手な方は腰椎を回転して、ゴルフをプレイするが、不慣れであったり姿勢が悪いと胸椎で回転する。すると、肘の内側に痛みが生じやすくなる。単に肘の内側上顆炎の治療をしてもなかなか治らない。中枢(脊髄レベル)胸椎部の治療を行うとすぐに改善します。

例えば、肩の痛みであれば、痛みの出ているラインごとに、中枢(脊髄レベル)の腰椎、頸椎、胸椎の対応するレベルの治療が必要となります。

遠絡医学では、頸、腰、肩、膝、足、上肢、下肢など体の各部位に対して、ラインと対応した脊髄のレベルが解明され、それらを踏まえた中枢からの治療が可能となりました。

中枢と局所の対応関係の例
五十肩 肩前・肩上TxⅠ・TyⅠ TxⅠ=L3/4 TyⅠ=L4/5
TyⅡ・TyⅢ C-Spine(SN)(片側性)
TyⅠ・TyⅡ・(TyⅢ) 上位脳・運動障害を伴う
両側AyⅡ・AyⅢ 副神経
テニス肘 L4/5
ゴルフ肘 T4/5
股関節症 L2〜S1
膝関節症 前・外側=L4/5 前・内側=S2/3
アキレス腱 L3/4
踵痛 L4~S1
大腿部AyⅠ T4/5
下腿部AyⅠ T9/10

5-間脳の蓄積による臨床症状の病態理論を構築

アトラスからのライフフローの血管性の詰りが間脳に蓄積する場合、容積飽和度がまだ上昇していない視床の後下方で蓄積が進行すると、先に手が冷え症となり、視床の前上方に蓄積が及ぶと足の冷え症が発症します。

さらに蓄積が進行し容積飽和度が上昇し始めると、まだ飽和度を超えていない視床の前上方から足の痺れ、後下方から手の痺れが発生します。

視床の飽和度が一定の閾値を超えると、蓄積から圧迫の状態となり、急に圧力が上がり、両足が動かない、両腕が動かないなどの症状となります。

飽和度が、延髄の孤束核、疑核、迷走神経まで圧迫されると呼吸困難の症状が現れます。アトラスのライフフローの詰りを開通することで根本からの治療が可能です。

6-髄液の側脳室の蓄積による脱力症状の
病態理論を構築

アトラスのライフフローの髄液の詰りが、延髄背側の第4脳室正中口の圧迫により、髄液の正中口への流出が出来ず、同時に中心管にも流れない状態になると、髄液の蓄積が始まります。

髄液の蓄積は第4脳室→中脳水道→第3脳室→室間孔→側脳室の髄液蓄積へと進行します。髄液の蓄積により側脳室が拡張し、下記にまとめた脱力症状が発症します。

  1. ①側脳室前角の拡張➡︎視床前側の細胞圧迫➡︎股関節の麻痺による下肢の脱力感
  2. ②側脳室後角の拡張➡︎視床後側の細胞圧迫➡︎肩関節の麻痺による上肢の脱力感
  3. ③側脳室全体の拡張➡︎大脳辺縁系の圧迫➡︎運動性感情障害が発症

アトラスのライフフローの詰りを開通し補強することにより治療が可能となります。

Ⅳ·遠絡療法の治療メカニズム

MRIやCTなどで検査をしても、異常がみつからない機能性疾患に、遠絡治療は大きな効果を発揮できます。遠絡療法が痛み、痺れ、身体不調に効くメカニズムは、いろいろな鎮痛機序が考えられますが、遠絡の基本理論であるライフフローの改善が大きく関係します。

半導体レーザー治療の作用機序はオピオイド物質の放出、下行性疼痛抑制系などの中枢性の鎮痛機構が賦活され、血流の改善、過緊張状態の交感神経活動が正常化する、免疫力の増強、抗炎症作用、組織修復作用などがあります。

レーザーを照射することで、細い神経線維の興奮が抑制され、免疫細胞によりオピオイド物質が放出されることで、末梢性の鎮痛を引き起こすことが知られています。

また、レーザーを照射することで脊髄後角を経由して延髄大縫線核や中脳水道周囲灰白質、橋青斑核などを興奮させ、下行性疼痛抑制系などの中枢性の鎮痛機構が賦活されます。

レーザー刺激を星状神経節に照射すると、過緊張状態の交感神経活動が正常化することが報告されていることから、不安や恐怖心を抱いている慢性痛患者や不眠などの自律神経症状を持つ患者など、過緊張状態の交感神経活動に有効な治療になるものと考えます。

経穴は自由神経終末(ポリモーダル受容器)や血管が豊富に存在している部位で、遠絡の手技によるNIDCによる痛みの抑制や、経穴刺激により誘発されたオピオイド物質が末梢のオピオイド受容体を刺激することで局所的に鎮痛が起こるとの報告もあり、C線維などの細い神経線維を興奮させることから、下行性疼痛抑制系などを賦活させて鎮痛が起こり、痛みが抑制されるものと考えられています。生体に存在する様々な鎮痛機構を効率よく賦活することで痛みを抑えていると考えます。

遠絡の手技による脊髄性の体性ー内臓反射が脳を介して内臓機能を高めることで、消化吸収を高めたり、ホルモンバランスを調節したりすることができることから、免疫力を回復させ、結果として痛みをコントロールすることも可能です。また、消化吸収を高めることはセロトニンやオピオイドなどを産生する手助けとなる可能性があることから痛みをコントロールしてくれます。更に体性自律神経反射を介して内臓を調節するで、とくに慢性痛の患者では不眠や便通異常のトータルケアとして期待されています。

1-遠絡療法の基本メカニズム

生体の流れ(ライフフロー)の活性化

痛み、しびれ、体の不調があるのに、MRIやCT、血液検査などを検査しても、異常がみつからない。このようなケースのほとんどは、「生体の流れ」(ライフフロー)がスムーズに流れていないことによって組織の働きが障害されて発症している機能性疾患です。

遠絡の治療で、生体の流れ、Life-flow(血液、リンパ液、神経伝達、ホルモン、間質液、組織液など)、東洋医学の「気」「血」「水」を改善することによって、機能性疾患の治療に効果を発揮できると考えられます。

機能性疾患は遠絡のライフフローを改善することによって、身体の症状が速やかに回復すると今までの治療経験から立証されています。

遠絡治療後に、サーモグラフィーを駆使して、皮膚の血流が増加するのが確認できます。更に、脳のSPECT検査では、前頭葉、側頭葉、頭頂葉などに血流が増えることも確認されています。

1)血液の蓄積を除去、血流を正常に回復

(出典:渡辺美実千雄先生の原稿)

静脈系については、頚部の不良姿勢やスポーツ傷害などによって後頭下筋群などの腫脹や頸静脈孔の軽微な異常が生じると、頸静脈孔を通過する内頚静脈がわずかながらも圧迫を受けます。この圧迫が両側で慢性的に続くと上流のガレン静脈やさらにその上流でうっ血が起こり、両側視床や基底核で灌流障害が生じます。

動脈系の障害については、動脈の過剰な収縮などにより、動脈の拍動による駆動力によって維持されている血管周囲排液やグリンパティック系の機能が障害されて間質液の停滞が生じます。

静脈系の障害により間脳の神経線維や神経細胞の障害や自律神経機能の障害が、動脈系の障害によりグリンパティック系の障害を介して神経組織内の老廃物は十分に排泄されず蓄積するため認知機能障害が引き起こされます。

2)神経伝達物質の改善と生命エネルギーの促進

遠絡治療前と治療後の神経伝達物質と生命エネルギーをバイオレゾナンスにより測定した結果:

痛み抑制物質のセロトニンの増加、痛み増強物質のサブスタンスPの減少、及び生命エネルギー(指標:テロメア値)の促進が確認できました。

患者 測定内容
セロトニン サブスタンスP 生命エネルギー
治療前 治療後 治療前 治療後 治療前 治療後
M.M56才女 4 26 634 96 320 1260
N.T65才女 97 196 799 457 440 1870
S.K75才女 25 45 530 321 850 1350
T.K80才男 59 106 760 149 1440 1950
K.I60才男 13 52 567 65 1040 1250
K.D58才女 87 158 975 790 630 2390
3)リンパ流の障害を改善、免疫増強へ働き

脳のリンパ流には血管周囲排液路、硬膜内リンパ管経路、末梢神経周膜管経路などの経路があり、脳内の髄液や間質液がこれらを経由して深頚リンパ節に至ります。

咽頭後リンパ節は環椎の高さにあり、深頚リンパ節は頭部の所属リンパ節です。この経路の上咽頭に炎症があると、鼻咽腔関連リンパ組織でのリンパの流れに障害が発生すると考えられます。

リンパ系の障害(上咽頭炎など)により免疫異常が発生します。

4)内分泌やモルヒネを分泌させ、痛みを改善

遠絡療法にてレーザー光と押棒による押圧刺激により視床下部のライフフローが改善されると、交感神経活動が亢進し、副腎髄質からノルアドレナリンなどのカテコールアミンが分泌され、これらには強い鎮痛作用があります。

さらに視床下部が下垂体を刺激して、ACTHや𝛃エンドルフィンを分泌させます。ACTHは副腎髄質を刺激して抗炎症作用の強いコチゾールを分泌します。𝛃エンドルフィンは、モルヒネ様の内因性鎮痛物質であり、強い鎮痛作用を有しています。

5)間質液の改善、血液の酸性、アルカリ性を正常へ

毛細血管と細胞の間に間質と呼ばれるスペースがあります。血漿は血管から漏れ出し間質液になる。間質液は再び毛細血管に回収される(約90%)が一部分はリンパ管に吸収される(約10%)。間質液はリンパ管に入った時点で名前がリンパ液に変わる。(英米では間質液をリンパ液と呼ぶことが多い)したがって、間質液はリンパの源流で、多細胞生物の組織において細胞を浸す液体です。

動脈硬化や動脈の過剰な収縮などが存在すると、動脈の駆動力が低下するため血管周囲排液やグリンパティック系の機能が障害されて間質液の停滞が生じる。間質液は血管内と違ってPH(酸性,アルカリ性)を調整する緩衝液がないため、PHが低下つまり酸性になって中性に戻れなくなります。この不均衡な状態が万病の原因になります。

アルツハイマー病で間質液が酸性化するとアミロイドβ産生酵素であるβ-およびγ-セクレターゼの活性に影響して、アミロイドβが蓄積して認知機能を低下させます。アトラスのレベルでは扁桃炎や上咽頭炎、副鼻腔 炎などの原因にもなる。

6)髄液の蓄積を軽減させ、脱力感を改善

アトラスの炎症で第4脳室正中口を圧迫し、髄液の正中口への流出が出来ず、同時に中心管にも流れない状態になると、髄液の蓄積が始まります。

髄液の蓄積は第4脳室→中脳水道→第3脳室→室間孔→側脳室の髄液蓄積へと進行します。側脳室が拡張し、下記にまとめた脱力症状が発症します。

  • 「側脳室前角の拡張」⇒「視床の前側の細胞圧迫」⇒股関節の麻痺による下肢の脱力感。
  • 「側脳室後角の拡張」⇒「視床の後側の細胞圧迫」⇒肩関節の麻痺による上肢の脱力感。
  • 「側脳室全体の拡張の進行」⇒「大脳辺縁系の圧迫」⇒運動性感情障害が発症。

髄液の蓄積を改善するためには、遠絡療法によるレーザー光と押圧による刺激でアトラスのライフフローを促進し、炎症を改善することが必要となります。

2-遠絡手技と半導体レーザーによる
ライフフロー以外の鎮痛メカニズム

遠絡治療は半導体レーザー治療器トリンプルDやSheepを使用し、「2d+c+a」を刺激します。齦交d(督脈)、承漿d(任脈)、廉泉c(Atlas、任脈)、天突a(c-spine, 任脈)のポイントを使って、治療します。督脈を任脈によって治療します。遠絡では解剖学的に脊髄を督脈としています。任脈の鳩尾(C-point)を押して、督脈を治療します。

トリンプルDは50/60HZ の周波数、平均出力2.4mW、同じ半導体治療器のSheepは5HZの周波数、パワー平均1Wで疾患ごとに使い分けます。

低出力レーザー治療(LLLT)は、血流の改善、神経伝導の抑制などの作用があります。治療中の痛みや熱さがなく、低侵襲で、高い疼痛緩和効果を発揮する治療法として注目されています。半導体レーザ治療器Sheepは、LLLTに最適な波長830nmのレーザを採用しています。最大出力10Wでレーザーの照射スポット径が14mmと広いため目的のポイントへのレーザー照射が容易に行えます。写真はレーザー治療後の皮膚の血流改善が明らかです。

可視光線は細胞膜を通過し、ミトコンドリア内の呼吸鎖の化学物に吸収され光反応を起こし、ミトコンドリアの活性化に引き続き、細胞質内の酸化還元状態を変化させ、細胞膜において細胞膜内外のCaイオン濃度に影響させることによって最終的に核内のDNA、RNAの合成を促進させ細胞の分化に影響を与えます。

近赤外光は細胞膜に吸収され、分子や原子の共振や回転を惹起し、ミトコンドリアや細胞核とともに光連鎖反応を引き起こし、細胞分化へ反応を起こします。
最終的にミトコンドリア内の呼吸鎖におけるcytochrome c oxydase を介したシグナル伝達系の制御によって生じた細胞分化に伴う反応を惹起します。

遠絡治療の様子(ビデオ)

レーザーを使用した治療

押し棒を使用した治療

副作用のない安全な治療法

薬や注射、手術などは行わずに治療ができます。子供や高齢者にも安全安心な治療法です。

即効性に優れた治療

半導体レーザーや治療用の押棒で、遠絡独自の治療ポイントを刺激します。

1)アトラスの治療は痛み抑制の要、延髄背側亜核と中脳水道中心灰白質の治療にあたる

遠絡療法におけるアトラスの治療は、両者に刺激を与えることによって強い鎮痛効果を得ていると考えられる。

2)血流改善作用

両足の皮膚潰瘍患者の一側にのみレーザーを照射し、サーモグラフィーで両側の足の血行を確認したところ、両側の足の血流改善が認められ、対側の潰瘍にも治癒の促進がみられたという報告がありました。

  1. ①血管に対する直接作用
  2. ②交感神経反射の抑制作用
  3. ③軸索反射による血管拡張作用

痛み刺激によるインパルスは、軸索反射により、軸索分岐部から逆行性にも伝わり、無髄C侵害受容線維末梢終末部からも、脊髄後根神経節から放出されるのと同じ伝達物質:CGRPとSPなどが遊離され、その結果、末梢血管を著しく拡張させ、血管透過性を亢進させます。

3)抗炎症作用

光線照射により、プロスタンジンE2、インターロイ キン1β、腫瘍壊死因子(TNF-α: tumor necrosis factor- alpha)などの炎症性サイトカインの減少、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2: cyclooxygenase-2)抑制が証明されています。

アキレス腱炎の患者患部に光線またはプラセボを照射し、光線のほうが有意に、局所の炎症を改善させ、局所プロスタンジンE2濃度が低いことを報告しました。

また関節リウマチ患者の膝関節に半導体レーザーを照射すると、組織的に膝関節滑膜での絨毛増殖の軽減や炎症性細胞浸潤の減少が報告されている。さらに、関節リウマチ患者の培養滑膜細胞に半導体レーザーを照射すると、IL-I𝛃とPGE2ぼ産生が抑制されます。

半導体レーザーによるアトピー性皮膚炎の病理組織的改善も報告されています。

4)神経伝達抑制作用による疼痛緩和

レーザー光は神経細胞Ca2+のチャネルに作用し、小胞体からCa2+放出、その刺激で細胞膜のCa2+チャネルが開き、外部から多量のCa2+が流入することで、細胞内Ca2+濃度を一過性に上昇させる。これにより、神経顆粒の放出(神経伝達物質放出)が行われ、同時にレーザー刺激による神経突起終末部の腫大がおこり、神経細胞の刺激に対する反応性が一時的に低下して、疼痛緩和の即時的な効果が得られる。その後神経突起退縮が起こり、神経突起が再構築されるまで疼痛緩和の効果が長期間持続します。

5)内因性オピオイドの分泌促進

オピオイドは中枢に痛みを抑える鎮痛物質の代表的存在であるが、末梢にもオピオイド受容体が存在します。

帯状疱疹などの末梢の神経終末が損傷すると、神経を覆っていた神経周膜が壊れ、元々神経終膜に存在していたオピオイド受容体が剥き出しになります。また、帯状疱疹の炎症が長引くと、後根神経節でオピオイド受容体が作られ、その受容体が軸索輸送により末梢の神経終末に運ばれることで、受容体が増加するとも言われています。

一方、炎症や組織損傷が起こっている部位では、オピオイドペプチドを含む免疫細胞が増加していきます。そこに半導体レーザーの光刺激や治療棒によるゲートコントロール原理の刺激が加わると、免疫細胞が刺激され、オピオイドを放出します。その結果、末梢にある神経終末に出現したオピオイド受容体とオピオイドが結合して、鎮痛が起こります。

オピオイドとは強力な痛み止め(麻薬様物質)の総称です。人体には、自分で痛み止めを出す機能が備わっています(内因性オピオイド)。脳内及び脊髄、特に視床、中脳中心灰白質などにオピオイド受容体が多く存在します。遠絡治療は、内因性オピオイドの放出を促す作用があります。

脳·脊髄から内因性オピオイドの放出

遠絡療法にて、鎮痛作用のある内因性オピオイドを分泌させ、脊髄と脳に存在するオピオイド受容体が結合することで、痛みの伝達がブロックされていると考えています。(根拠:経絡刺激による鎮痛効果が、βエンドルフィン(内因性オピオイド)を抑制する薬(ナロキソン)投与にてなくなる研究より)

末梢から内因性オピオイドの放出

正常時、オピオイド受容体は神経周膜にあるが活動はしていません。ところが末梢の神経終末が損傷すると、神経周膜に存在していたオピオイド受容体がむきだしになる。そのため、免疫細胞からオピオイドが放出されると鎮痛が起こります。

炎症などが進行すると、後根神経節で作られたオピオイド受容体は軸索輸送され、末梢の神経終末に運ばれます。遠絡治療をすると、オピオイドが分泌され、末梢部に運ばれたオピオイド受容体と結合することで、鎮痛が得られます。

6)創傷治癒作用

レーザーの創傷治癒促進効果については、血管の新生増殖、コラーゲン産生能の増加は白血球食作用、核酸合成促進、局所炎症の緩和、マクロファージの貪食能の活性化、線維芽細胞の増殖促進による効果などが臨床的に確認されています。

帯状疱疹後神経痛は神経線維の破壊によりピリピリの触れない痛みが発生し、その神経線維に炎症が起こり、周りにサイトカインの産生が亢進されます。創傷治癒は、組織の破壊や血液の侵入により周囲に線維芽細胞や炎症反応細胞が集合することに始まり、その後、細胞外マトリックスの分解、合成により組織の再構築や創傷増殖因子により線維芽細胞が増殖してコラーゲンの合成が促進され、血管が新生し肉芽が再生される。線維芽細胞の増殖や血管新生が起こることにより組織が修復されます。その後、時間の経過とともに肉芽が収縮し上皮が再生され組織の修復が終わります。レーザー治療は遠赤外線効果という外的刺激によってその線維芽細胞を活性化しコラーゲンの合成促進により創傷治癒を促進することで治癒過程に大きく寄与しています。

7)下行性疼痛抑制系の活性化

下行性疼痛抑制系とは、脳内鎮痛の中心的な中脳水道中心灰白質(PAG)や延髄腹内側部などが活性化して、脊髄後角で痛み伝達を抑制するという鎮痛機序のことです。

脳内鎮痛の中心的な部位は中脳中心灰白質(PAG)で、下行性疼痛抑制系の起始核としての役割を持っています。PAGそのものは視床下部や扁桃体、前頭皮質、島皮質の上位の影響を受けながら、鎮痛系が作動する。痛みを抑制するルートは、中脳からA5やA7、更に青班核を介してノルアドレナリンを分泌するルートと延髄腹内側部を介してセロトニンを分泌するルートがあります。

遠絡治療の脊髄(SC)に対する督脈の治療で自由神経終末の末梢性感作や脊髄後角の中枢感作を軽減させ、治療棒による押圧刺激で手足の治療点にあるポリモータル受容器のC線維を興奮させるから、下行性疼痛抑制系を賦活させて、鎮痛がおこり、痛みが抑制されるものと考えます。

8)上行性疼痛抑制機構
①ゲートコントロール理論(触刺激による中枢調節)

脊髄後角には、膠様質細胞(SG細胞)や活動系へ投射している伝達細胞が存在している。ゲートコントロール理論で鍵を握る膠様質細胞は、痛みの信号を伝える伝達細胞を抑制し、ゲートを閉じる働きをしています。

痛覚刺激・触圧刺激ともにない状態(何もしていない)では、Aβ線維の自動発火による「閉じよ」との指令が、Aδ線維やC線維の自動発火による「開け」という指令に勝るのでゲートは閉じて、痛みは生じません。

触圧刺激によるAβ線維の積極的発火により「閉じよ」との声が大きくなりゲートは閉じ気味になり痛みの伝達が低下します。

即ち患部皮膚触覚(Aβ神経線維)を撫でたり、摩ったりして、刺激をあたえると、脊髄後角にある抑制介在ニューロン(膠様質細胞)が活性化され、脊髄後角にある痛みを伝える伝達細胞(T細胞)を抑制することによって、ゲートを閉じる働きをしていると、痛み伝達ができなくなります。

遠絡治療は触圧刺激によるAβ線維の積極的発火により「閉じよ」との声が大きくなりゲートは閉じ気味になり痛みの伝達が低下します。

痛覚刺激があると、Aδ線維やC線維の積極的な刺激(痛み刺激)により、「開け」との指令が大きくなり、Aβ線維の自動発火による「閉じる」との指令に勝り、ゲートが開くと、痛みが発生します。

つまり細い神経線維のC線維やAδ線維(痛み担当)を刺激してしまうと、抑制介在ニューロン(膠様質細胞)が抑制されて、脊髄後角にある痛みを伝える伝達細胞(T細胞)が促進されるため、ゲートを開く働きをしていると、痛みが強くなってしまいます。

C線維は交感神経、Aδは皮膚温感覚を担う神経であるので、交感神経が働いている時や、皮膚が冷たくなっている時に痛みを感じやすくなるのはそのためであります。

②広汎性侵害抑制調節(DNIC)の理論

パリ神経生理学者ダニエル・ル・バースらはラットの頬に存在する痛みは、全身のどこに痛み刺激を加えても抑えることができることを報告しました。DNICの機序には、延髄の背側網様亜核からのネガティブフィードバック機構が関与していると報告されています。

9)自律神経バンランスの適正化
9)自律神経バンランスの適正化

病気によりライフフローが虚の状態や虚による相対的実が発生すると、身体には副交感神経の低下による相対的交感神経の亢進による症状が現れます。

症状より、虚症、相対的実症、或は副交感神経低下症による相対的交感神経亢進症の病態を診断し、遠絡治療の手技(瀉法或は補法)を選別します。

その結果、病態を踏まえた根本からの症状の改善をすることが可能となります。相対性理論を応用することで、より高い次元からの治療が可能です。

10)免疫系の活性化

遠絡治療によるレーザー光と治療手技の刺激が大脳に伝えられると、大脳辺縁系・視床下部に信号が伝わり、自律神経系・内分泌ホルモンにより、各臓器が調節されるのに加えて、脳内で分泌されたホルモンによって細胞免疫系が調節されます。

一方、経絡刺激は鎮痛系を賦活するだけでなく、体性―自律 神経反射(体性―内臓反射)を介して各臓器の機能を調節する ことや、NK活性やサイトカイン産生に影響をおよぼすなど自律神経系や免疫系にも作用すると考えられ海外内文献で報告されています。さらに、鎮痛時に誘発される内因性オピオイド物質には抗ストレス作用や免疫系に影響をおよぼすことも報告されている。遠絡治療においても同様なメカニズムが発動していると考えられます。

Q2 遠絡療法は即効性があるのはなぜですか?

遠絡療法(遠道相応穴位経絡治療法(えんどうそうおうけついけいらくちりょうほう)は、Dr. KO Shan-Chi(柯尚志(こうしょうし)医師)が「一本鍼」の治療による約1万例の臨床データから「1か所に鍼(はり)を打つと、身体のどの部位が反応するか」を突き止め、分析した結果から導き出した法則をまとめた治療法です。

東洋医学では、我々の身体には12本(督脈・任脈も加えると14本)の経絡、すなわち気血水の流れの道すじがあるとされ、鍼灸での治療に使われてきました。遠絡医学では、経絡の考えを応用し一本一本の道すじ(ライン)がそれぞれ影響している生命活動の流れ(ライフフロー)があり、身体を循環していると考えました。

ライフフローは、血液、リンパ液、髄液、ホルモン、神経伝達物質などの流れと関連します。三叉神経系から痛覚入力を受ける三叉神経複 合核は、三叉ライフフローが健全に流れ身体を循環しているとき、病気の症状は現れません。ライフフローが詰まったり滞ったりすると、代謝活動が低下し炎症なども改善しにくい状態となります。痛みや痺れを始めとする様々な症状が現れます。

遠絡医学は東洋医学のこれまでの考えに新しい概念を加味し、子午流注(しごるちゅう)、陰陽五行の母子関係や陰陽六行の親子関係などから導かれる連接、相輔、補強、相克などの治療法を確立し、「1本鍼の治療点」と「新たな東洋医学の理論」を融合し体系化させました。その結果、ライフフローの調整が再現性をもって自在に可能となり、即効性のある治療効果を得られるようになりました。

Q3 なぜ西洋医学で治療できない病気を遠絡医学で治療することができるのですか?

約1万例の臨床データから「1か所に鍼(はり)を打つと、身体のどの部位が反応するか」を突き止め、分析した結果から導き出した身体の局所に表れる症状部位に対応する責任中枢の存在を明らかにしています。

1)下位中枢(脊髄)を責任中枢とする局所の症状例

例えば、肩の痛みは、肩の問題以外に肩前側は腰椎L4/5レベルが関与、肩後側は、頸椎レベルの関与するケースが多いです。

膝の痛みは、膝の問題以外に膝外側なら腰椎L4/5レベルの脊髄が関与、膝内側なら仙椎S2/3レベルの関与するケースが多いです。

その他にも全身のすべての部位に対応する中枢があり、遠絡医学ではその「病変の根元」からの治療ができます。

(2)上位中枢=上位脳(大脳) &下位脳(間脳・脳幹部・小脳)を責任中枢とする症状例

症状があるのにMRIや CTなどの検査しても異常がない、原因が分からないとされている機能性疾患の多くはアトラス(頸椎1番レベルの脊髄)の微細炎症によるライフフローの障害によると考えられます。

例えば、ライフフローが詰まって渋滞したものが、視床、視床下部に及ぶと症状として睡眠障害、冷え症、集中力の低下、うつ症状など、脳下垂体に及ぶとアレルギー症状、生理痛、内分泌障害による諸症状が出現します。

病状が更に進行すると、12脳神経の圧迫による諸症状が出現します。

大脳基底核の障害にまで及ぶと、解離性運動障害、手の振えなどのパーキンソン様症状が出ると考えています。

更に、交通事故の外傷、あるいは高熱などによるアトラスの炎症が波及し、延髄が腫れて髄液が第四脳室から脊髄の中心管に流れない状態になると、中脳水道、第三脳室から側脳室に髄液の蓄積が起こり、手足の脱力感(麻痺症状)が出現します。

西洋医学において難病とされる疾患の多くは、上記の理論により説明が可能です。遠絡医学においては、ライフフローの障害による中枢性の病態が明らかにされていると同時に、問題があると診断した部位を遠絡療法により的確に治療できるので、現在の西洋医学では対応ができないとされている病気を治療することが可能です。

Q4 遠絡医学と西洋医学はどこが違いますか?

西洋医学は、肩の痛みは肩の治療を行います。膝の痛みは膝の治療をします。
しかし遠絡医学では、肩の痛みという肩の病変は木の花の症状と捉え、木の幹の腰椎L4/5レベル、あるいは頚椎レベルの脊髄を治療します。
膝の痛みの病変は膝のみの治療ではなく、膝の内側なら仙椎S2/3レベルの治療、膝の外側なら腰椎L4/5レベルを治療します。

西洋医学では、下位脳の視床、視床下部、脳下垂体、12脳神経の症状は、例えば鼻炎なら抗アレルギー剤を投与、頭痛なら痛み止めを投与します。しかし、遠絡医学では、アトラス(第一頸椎レベル)を中心とした治療で、下位脳の症状は消失します。

言い換えれば、西洋医学は木の花の病名に対する治療、遠絡医学では木の幹の病変に対する治療です。外から抑え込む治療ではなく、患者様ご自身の自然治癒力による本当の健康の回復が可能です。

Q5 遠絡療法はどのような病気に効果的ですか?

身体の病気は、骨折や骨変形などの器質的病気と、ライフフローの詰りや滞りによって起こる機能的病気があります。

ライフフローの詰りによる機能的病気はすべて遠絡療法の適応になります。

器質的病気は、手術による治療が適する状態であれば、そちらを優先すべきでしょう。もちろん器質的病気であっても、ライフフローの改善により症状の軽快につながる場合もあります。手術適応の無い器質的病気は、遠絡療法の適応といえるでしょう。

また、脳や脊髄の細胞が、出血や梗塞、外傷などで破壊してしまったものは、再生できません。しかし、細胞や神経線維が圧迫されていることで起きている一時的な機能障害は、ライフフローの改善により回復の可能性があります。

ご自分の症状にも効果があるかをお知りになりたい場合は、メールまたは電話にてお気軽にご相談ください。

Q6 遠絡療法に副作用はありますか?

薬や注射、手術などは行わずに治療ができます。お子様や高齢者にも安全な治療です。治療後、副交感神経が優位になり、眠気やだるさが一時的に出る場合があります。

Q7 遠絡療法はどこで受けられますか?

遠絡療法の教育、実習を受けて、試験に合格した医師・治療師のいる医院、診療所にて受けることができます。(日本、アメリカ、シンガポール、台湾、香港など)

遠絡療法を受けられる医療機関

Q8 遠絡療法の適用疾患は?

難治性疾患 難治性神経疾患
自律神経症状 免疫性疾患
運動器疼痛疾患

Q9 鍼灸治療と遠絡療法の違いは?

鍼灸 遠絡
経絡 主に本経(疼痛点の経絡)を使用本経の経絡の流れをよくする 主に本経以外の経絡を使用
十二経絡全体の流れをよくする
ツボ使用 一般的に十数箇所のツボを選択 ツボと類似した独自の二箇所の治療点を選択
治療手段 皮膚に刺針や灸を使用する 遠絡治療棒と治療用レーザー光で治療刺針はしない
季節対応 季節や時間の変化に関わらず画一的 季節や1日時間的変化により最適なツボを選択する
即効性 状況により一定しない 局所症状なら5分治療で70%除去できる、中枢症状なら40分治療で70%除去できる
治療範囲 東洋医学による病態把握またはトリガーポイントなど局所的 西洋医学的な病態解析をもとに、上位中枢(脳·脊髄)下位中枢(視床·視床下部·橋·延髄·小脳)など中枢からの問題に対応できる

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