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医療法人東西医会 小泉医院遠絡医療

埼玉県草加市中央1-1-18  048-927-5370

肩関節痛/肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)

難病指定医·遠絡指導医による
遠絡医療・バイオレゾナンス
EAT. ア-ユルヴェ-ダ. リハビリ

の診療をしている総合医院です

患者様向け

肩関節痛/肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)

►肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)

肩関節周囲炎は、一般的には四十肩、五十肩と呼ばれます。肩から腕が痛くて上げることができない、後ろにまわせないなど、肩の痛みと肩関節の運動障害(可動域制限)を伴います。

►肩関節周囲炎の一般的な治療

肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)は、一般的には加齢、過労による肩関節構成体の変性を基盤にして発症すると考えられています。

レントゲンで肩関節の状態を調べ、物理療法や運動療法などのリハビリテーションや神経ブロック注射などが行われます。

例1)肩関節石灰沈着性腱板炎

検査:X線(レントゲン)撮影により診断
治療➡︎ステロイド注射

例2)腱板断裂⇒運動評価(Drop arm sign陽性)

検査:MRIにて診断
治療➡︎関節鏡視下腱板修復術

その他)肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎など

治療➡︎物理療法など

様々な治療を行ってもなかなか改善しない肩関節に出ている痛みや運動障害(可動域制限)は、脳や脳神経、脊髄、脊髄神経といった体の中枢部に原因がある中枢性の場合があります。

しかし、中枢性の肩関節の痛みや運動制限についての知識は、一般の西洋医学においては、ほとんど認知されていません。実際、肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)と診断されている症状のほとんどが中枢性といっても過言ではありません。中枢性のものも、症状の出方によりさらに原因部位が異なります。

1-肩関節痛/肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)

肩関節周囲炎は、関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。中年以降、特に50歳代に多くみられ、一般的には四十肩、五十肩と呼ばれます。

[症状]:

肩関節周囲炎は経過によって炎症期、拘縮期、解凍期の三つの病期に分かれ、それぞれ症状が異なります。炎症期は肩の痛み、可動域制限、動作時痛が強く生じます。夜間に痛みが強く出て、睡眠に支障を来たす場合は石灰沈着性腱板炎の可能性が高く、早期診断が必要です。拘縮期では痛みが徐々に落ち着きますが、手を上げる動き、背中に手を回す動きなどの可動域制限が残ります。解凍期では可動域制限が徐々に改善し、日常生活での支障は少なくなってきます。 

[治療]:

病期によって治療法は異なってきます。痛みが強い急性期には、痛みが出るような動きを避け、三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服や湿布の処方します。肩の炎症を抑えるためのステロイド剤注射や肩の潤滑効果のあるヒアルロン酸の注射を施行します。

急性期を過ぎたら、慢性期においては肩の関節可動域が制限されることを予防して改善することが中心です。温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリ「コッドマン体操」と呼ばれる肩をブラブラさせる運動で、上半身をリラックスした状態で、上肢の振り子運動を行います。固くなった軟部組織(関節包や肩関節腱板)をストレッチして、肩甲骨と上腕骨の関節運動を円滑にします。肩甲骨と上腕骨の間に、関節の遊びを作ることで、痛みや障害を引き起こすことを防ぎます。

これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を勧めることもあります。

[肩関節周囲炎を診断するための除外疾患名]:

「肩関節周囲炎」は、“特に原因がはっきりしない中年以降におこる肩の痛みと運動制限をきたす症候群”です。しかし肩関節周囲炎を診断するためには、似たような肩の症状は以下のようなものがあります。これらを鑑別疾患として除外してから、初めて肩関節周囲炎の診断を下すことが可能です。

  1. ①肩腱板断裂:腱板が損傷しているため、Drop arm sign陽性、バンザイをするときに痛みが出ます。
  2. ② 石灰沈着性腱板炎:腱板にカルシウム塩が沈着して急な炎症を起こし、夜間に激しく痛みます。
  3. ③インピンジメント症候群:バンザイをする際、上腕骨頭が肩峰に衝突して痛みを生じます。
  4. ④変形性肩関節症:肩関節の軟骨がすり減って炎症が起こり、痛みが出て動きが悪くなります。

[症例1]右肩関節周囲炎による運動制限一回で著効

55歳男性。4ヵ月前より特にきっかけはなく右肩の痛みが始まりました。近隣の整形外科でレントゲン検査を受けたが異常なく、肩関節周囲炎と診断されました。

肩痛の疼痛の為に腕を上げたり後ろに回すなどができなくなり、着替えなど日常生活にも支障をきたし、遠絡療法を希望され大阪より当院(埼玉県)を受診されました。

初回の治療にて、痛みはFPS(痛みの自覚評価スケール)にて、8(かなり痛い)から0(痛くない)へ改善。可動域制限も腕の挙上、外側から上げる外転動作とも大幅に改善しました。 1ヵ月後、2回目の治療に来院された際も、治療前の痛みは(ほんの少し痛い)であり、治療後は0となりました。

後日、「野球の投球動作を試しても痛みが出なくなった」と喜びのご報告をいただきました。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

肩関節痛/肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)

2-凍結肩

凍結肩は体の硬い人、女性、運動習慣がない人がなりやすいです。日頃から肩甲骨を意識しながら運動することが大切です。

凍結肩は関節包が小さくなっている状態です。治療としては、小さくなった関節包を広げる必要があります。

小さくなった関節包を広げるには、まずはリハビリでの徒手療法や運動療法などを行います。それで不十分な場合は、超音波下で肩を無痛状態にして徒手的に非観血的関節授動術を行う方法や、内視鏡で関節包をはさみで切る観血的関節授動術があります。

当院では、遠絡療法で生体の流れ(Life-flow)を促進することで、リハビリや手術を行わなくても改善する例を多く経験しています。

凍結肩と腱板断裂の共通点は肩が痛み、腕が上がらないことです。しかし、凍結肩は保存的治療で対応可能ですが、腱板断裂は手術に至ることが多く、両者をMRIなどで区別する必要があります。

「肩の痛み=凍結肩」と判断するのはなく、腱板断裂の可能性を除外しなけねばなりません。腱板断裂は肩が痛いという症状の他に、他動であれば腕が上がる場合は腱板断裂を疑い、MRIを精査すべきです。腱板断裂であれば、手術の適用があります。

凍結肩は“関節包(関節の袋)”が小さく縮んでいる状態で、他動でも肩関節の可動域が制限され腕を上げることができません。凍結肩の場合は、基本的に保存的治療の適用です。手術に至る事はほとんど無く、リハビリや内服薬、注射療法で改善を図ります。遠絡療法にて更なる改善が期待できます。

[症例2]右上腕骨顆上骨折治癒後、肩痛による運動制限の凍結肩。一回で著効した症例。

転倒し右上腕骨顆上骨折。肩のサポーターと腕のスリングで1ヵ月固定し、リハビリ開始するも、痛みが強く、ステロイドや麻酔の注射も効果なく、凍結肩の状態。リハビリでは痛みが悪化し、腕の痺れも出現。ご主人も内科医ということもあり、肩専門の有名なクリニックも受診されたそうですが効果なく、4月になって友人の治療家の紹介で当院を受診されました。

初日の治療にて、安静時も痛かった肩痛、上腕の痛み、痺れとも改善し、自動での可動域は、屈曲80度⇒140度 外転が70度⇒130度まで改善されました。1週間後の2回目の治療では、さらに痛みも改善し、屈曲、外転とも170度まで改善されました。

凍結肩といわれ都内の肩専門のクリニックでも改善しなかった肩痛と上腕の痛み痺れ、肩関節の可動域制限が、1回の治療で大幅に改善しました。

凍結肩

この患者様の場合は、遠絡医学的診断により、頚部、胸椎部、腰部の3カ所の脊髄に原因があると診断し、その部位の神経線維の圧迫を改善する為の遠絡治療を行いました。その結果、痛みも可動域もすぐに改善しました。痛みを堪えてのリハビリで、むしろ悪化していたことを考えると、リハビリ前に遠絡療法を行うことは大変有効と考えます。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

医療従事者向け

1-肩関節周囲炎

[概念]

肩関節周囲炎には上腕二頭筋腱炎、肩峰下滑液包炎、癒着性関節包炎、変形性肩関節症などが含まれる包括的な名称です。海外では、frozen shoulder,stiff and painful shoulderなどの関節拘縮に伴う疼痛があるものに対して、肩関節周囲炎が用いられることが多いが、同義語として用いられる。

[発症機序]

発症の機序は未だ明らかではありませんが、肩周囲の筋肉や腱、靭帯、関節包、滑液包などの組織が加齢などにより炎症を生じることが要因と考えられています。

肩関節は骨と関節以外に滑液包と関節包があり、滑液包は筋肉や腱、靭帯、関節の動きをよくする袋であり、関節包は関節を包み込む袋などの軟部組織から構成されています。この軟部組織に加齢とともに炎症が進むと運動制限を特徴とした疾患を肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)が発症します。自然治癒することもあるが痛みや拘縮(可動域制限)が強く、症状が遷延する例が多い為、早期の診断・治療が必要となります。

[症状]

主症状は、肩周囲の痛みと動きの低下です。特に結髪・結帯・更衣などの日常生活動作が障害されます。

炎症期は安静時と夜間時の痛み、動作時痛が強くて、可動域制限を生じる事もあります。痛みが強く夜眠れない場合には、石灰沈着性腱板炎の可能性もある為、早期治療が必要です。拘縮期では痛みは徐々に落ち着きますが、可動域制限が残ります。特徴として腕を挙上する動きや背中に腕を回す動きなどが特徴です。解凍期では可動域制限が徐々に改善し、日常生活での支障は少なくなります。 

2-肩腱板断裂

[発症機序]

交通事故で肩を強打したりするなどといったアクシデントのほか、転倒したり、仕事で重いものを持ったり、野球の投球やテニス、水泳などスポーツで腕の頭上運動を繰り返し行う方も損傷することが多いと言われています。加齢などが原因で腱板損傷を発症することもあります。

肩腱板断裂では、上記で損傷している腱板と周囲の骨がこすれ合い、更に腱板の損傷および断裂が進みます。

[症状]

急性断裂の場合、ゴリゴリという断裂音とともに痛みが走り、腕が持ち上がらなくなります。数週間痛みが続きますが、徐々に軽減します。症状は肩関節周囲炎(五十肩)と似ており、安静にしていると痛みが落ち着くことがあるので、治療せずに放置してしまう人が多くいます。

肩腱板断裂の患者様でも、長期にわたり五十肩と診断されていることがあります。五十肩では1年以上痛みが続くことは少ないので、もう1年以上痛みが続くことがあれば、かつ、腕の上げ下ろしの際に痛みを感じる、自力で腕を持ち上げようとしても難しい、注射をしても痛みが取れない、夜に肩が痛くて目が覚めるなどがあれば、肩腱板断裂が疑わねばなりません。五十肩では腕が上がらないだけでなく、横にも開かなければ後ろにも回らないというように、肩の動きが強く制限されるところが肩腱板断裂の症状と異なります。

腱板はX線検査だけでは映らないため、正確な診断のためにはMRIや超音波検査が必要です。

3-肩石灰沈着性腱板炎

患者様の訴え:肩に痛みが突然現れ、睡眠が妨げられるほどの痛み、肩や上腕を動かせません。

石灰沈着性腱板炎は、腱板の内部にリン酸カルシウムが結晶化したことが原因で、その周囲に炎症が起こり、肩が痛み、可動性が損なわれる 。

発症初期であれば、腱板に注射針を刺して、ミルク状のリン酸カルシウムの結晶を吸引して取り除くという治療が可能です。時が経つにつれて、濃厚なミルク状だったものが、徐々に粘度を増して、硬く変化してゆく。

腱板を突き破って滑液包へとリン酸カルシウムの結晶が漏出すると、患者は激痛に襲われる 。

ステロイド注射と遠絡療法を併用する事で短期間で改善が可能です。

[症例3]右頸部から肩にかけての痛み

追突事故後、右頚部から肩痛発症。肩が痛むため、腕を上げることができない。(前方挙上70度)発症より1ヵ月経過しましたが物理療法では改善しません。

遠絡療法にて、頚部の脊髄の炎症を改善する治療を実施。治療後すぐに肩痛は改善。前方挙上も120度程度まで可能となりました。最終可動域で少しつっかかる感じが残った為、さらに、肩~上腕のライフフローの調整を行ったところ、ほぼ全可動域挙上可能となりました。

解説:

この女性は、頸部脊髄の微細な炎症が原因で肩の痛みと運動障害を発症していました。発症後の経過も1ヵ月と短く、痛みの改善とともに可動域も改善しました。遠絡療法にて、ライフフローの調節を繰り返すことで、徐々に症状の再発もなくなることでしょう。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

[症例4]右テニス肘、右肩関節屈曲挙上障害

20代、男性。テニス歴6年、最近、試合の練習が多くなったため、右肘の痛み、右肩の挙上困難が悪化し、整形外科を受診。くすり、リハビリなどを施行しましたが、症状が軽快せず、遠絡療法の目的で、当院を受診。遠絡治療を施行し、上記の症状はすぐに軽快しました。

解説:

テニス肘の中枢は腰椎L4/5、オーバーユース部位は上腕骨外顆です。肩関節炎の中枢も腰椎L4/5.オーバーユース部位は肩関節上方です。そのために肩関節屈曲挙上運動障害を起こしており、遠絡療法による腰椎L4/5の治療で肩と肘の両方の痛みが同時に改善しました。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

4-中枢性の肩関節痛症状による診断例と遠絡治療

肩関節に出ている痛みや運動障害(可動域制限)は、肩関節そのものに原因がある局所性のものと、脳や脳神経、脊髄、脊髄神経といった体の中枢部に原因がある中枢性のものがあります。

しかし、中枢性の肩関節の痛みや運動制限についての知識は、一般の西洋医学においては、ほとんど認知されていません。実際は肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)と診断されている症状のほとんどが中枢性といっても過言ではありません。中枢性のものも、症状の出方によりさらに原因部位が異なります。

症例1)肩の上側の痛み(肺経・大腸経の痛み):腕を上にあげることができない

(上肢の屈曲挙上運動障害)

診断:腰椎L4/5部の脊髄の微細な炎症による神経線維不完全圧迫が原因
遠絡治療:腰部脊髄をコントロールするライフフローを改善する治療

症例2)肩の前側の痛み(肺経の痛み):背中に手をまわすことができない

(後方伸展運動障害)

診断:腰椎L3/4部の脊髄の微細な炎症による神経線維不完全圧迫が原因
遠絡治療:腰部脊髄をコントロールするライフフローを改善する治療

症状3)急に片側の腕が上がらない:片側の肩関節から上肢の肘背、手背への痛み、しびれ及び 同側の足の下垂足

診断:ごく軽微な脳血管障害(脳出血など)が発症している
遠絡治療:
急性期⇒脳のライフフローを改善する治療
慢性期⇒脊髄のライフフローを改善⇒上肢や下肢の流れを改善する治療

症例4)肩の後側の痛み(三焦経の痛み)症状:反対側の肩を触るのが困難

(水平内転運動障害)

診断:頚椎部の脊髄の微細な炎症による神経線維不完全圧迫が原因
遠絡治療:頚部脊髄をコントロールするライフフローを改善する治療

適切な診断と原因部分のライフフローを改善する遠絡療法による治療を行うことが重要で、適切な治療を行えばその場で痛みや運動制限が改善します。肩関節の運動制限が固まらないうちに、遠絡治療を行うことが望ましく、すでに肩関節が拘縮している場合は、治療に時間がかかります。

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