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医療法人東西医会 小泉医院遠絡医療

埼玉県草加市中央1-1-18  048-927-5370

膝痛
(変形性膝関節症/膝半月板損傷/膝靭帯損傷)

難病指定医·遠絡指導医による
遠絡医療・バイオレゾナンス
EAT. ア-ユルヴェ-ダ. リハビリ

の診療をしている総合医院です

患者様向け

1-変形性膝関節症

50歳以上の中高年に多く、男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。初期にはこわばり感から始まり、徐々に正座、しゃがみ込み、階段昇降などで膝が痛むようになります。症状が進行していくと、就眠時や安静時にも痛みを感じることがあったり、膝を完全に伸ばすことが困難となってきたりします。外観上はO脚変形となっていく方もいます。

[病態]

変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨が、加齢などによりすり減って、痛みが生じる状態です。軟骨がすり減ったため、膝関節の骨と骨のすき間が狭くなって内側がこすれて、骨の縁に骨棘ができたり、骨が変形したりします。また、関節を覆っている関節包と呼ばれる繊維膜の内側に炎症が起こるため、黄色味がかった粘り気のある関節水腫がたまります。

[原因]

関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形します。その他、女性で肥満の方、メタボリックシンドローム体質、素因(遺伝子)、骨密度、ホルモンなどが影響するとされています。また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。

[症状]

主な症状は膝の痛みと水がたまることです。

初期には膝の動作時痛:立ち上がり、歩きはじめなど、膝を動かした時に生じる痛み、休めば痛みがとれます。中期には膝の可動域制限:正座やしゃがみ込み、階段の昇り降りなどの動作が困難になり、膝の曲げ伸ばしもつらくなるなど膝関節の動きが制限されていきます。末期になると、膝を完全に曲げることができない:ピンと伸びない状態が進んで歩行が困難になり、日常生活に支障をきたすようになります。また、膝関節の変形が目立ちO脚になります。

[予防]

日常生活での注意点として、次のようなことを心掛けましょう

  1. ①体重を適正にする、肥満であれば減量する
  2. ②太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える
  3. ③正座をさける
  4. ④洋式トイレを使用する
  5. ⑤膝をクーラーなどで冷やさず、温めて血行を良くする

[治療]

1)生活指導:運動と体重の是正

保存療法の基本として、まずは運動、減量や食事を中心に生活指導を行います。膝の痛みのため体を動かさず運動不足になると、膝を支える大腿四頭筋の筋力が低下し、体重増加を招きます。その結果、膝への負担が増え、痛みが増すという悪循環をきたします。

2)運動療法:SLR運動(脚あげ体操)大腿四頭筋)の訓練

運動療法は膝関節周囲の筋力を強化し、SLR運動(脚あげ体操)や太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)の訓練が中心になります。膝関節への負担を軽減するために行います。

3)薬物療法:内服、外用、注射

痛みや炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、湿布薬、関節内注射では、関節機能改善剤ヒアルロン酸や炎症を抑える作用が強いステロイドが用いられます。

4)装具療法:膝サポーター

膝にかかる負担を軽減し関節を安定化させる装具としては、足底装具、機能的膝装具、サポーター、杖などが用いられます。

5)手術療法:

保存療法を行っても十分な効果が得られず、日常生活に支障をきたす場合には、手術療法を行います。変形性膝関節症に対して行われる主な手術には、「関節鏡手術(関節鏡視下郭清術)」「高位脛骨骨切り術」「人工膝関節置換術」があります。

6)膝痛に対する遠絡療法

遠絡医学にて膝痛を診断する場合には、局所性と中枢性に分けて考えます。
痛む部位に骨折や打撲、外傷などのはっきりした原因がある場合は局所性、特にきっかけ無く発症した膝痛や、左右両側に症状がある膝痛の多くは中枢性と考えています。

例えば、レントゲン検査によって変形性膝関節症と診断された膝痛であっても、腰部脊髄を遠絡療法で治療することで、痛みが改善できることが多くあります。

中枢性膝痛の原因は、症状が出ている部位により、腰椎4番5番の高さが中心のものと、仙椎2番3番の高さが中心のものの2つが考えられます。その部位の脊髄の治療が必要です。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

膝痛の原因中枢例(遠絡医学の理論での検証結果より)

膝の内側 ⇒ 仙椎S2/3レベル
膝の前側~外側 ⇒ 腰椎L4/5レベル

[膝痛の原因中枢]

2-関節液・関節水腫(膝に水が溜まるとは?)

[膝関節液の産生源]

関節液は、関節包の滑膜で造られ、分布する血管やリンパ管から、血液の赤血球や白血球などの血球成分とフィブリノーゲンが濾過された血漿成分から造られます。この血漿成分に、さらに滑膜組織において、合成分泌されたヒアルロン酸のタンパク複合体が加わることにより、血漿成分より粘性が強い液体となっています。

[膝関節液の役割]

この粘性の強い関節液が、関節が動く時の、関節軟骨表面の摩擦の軽減に重要な役割を果たしており関節の磨耗を防いでいると思われます。

[膝関節水腫になる原因]

たくさんの原因がありますが、中でも多いのが関節の炎症です。変形性膝関節症では膝関節の軟骨がすり減ってきて、そのかけらによって滑膜に炎症が起こり滑液の量が増えてしまうことがあります。また、炎症時には滑膜がむくんでいると、滑液を吸収する能力が低下し、結果的に滑液の量が多くなります。

[何故、膝関節水腫を抜くのですか?]

  1. ① 痛みを和らげるため
  2. ② 関節液の量・色・濁り・粘りを見るため
  3. ③ 水を抜いた後注入する純度の高いヒアルロン酸を薄めないため
    (ヒアルロン酸には関節液と同じく、関節の動きをスムーズにする働きがあります)

[膝関節水腫を抜くと癖になる?]

注射で水を抜くと癖になる…という不安の声をいただくことがありますが、癖になることはありません。水を抜いた後にまた溜まってしまうのは滑膜の炎症が残っていて関節液の大量分泌が続いていることが原因です。ですから関節液を抜きつつ適切な治療を続けて早く炎症を抑えることがとても大切です。

[関節水腫の治療]

関節水腫がある場合、溜まった水を抜き、抗炎症薬やヒアルロン酸の注射によって、炎症を抑えたり、関節軟骨を保護する治療を行います。水を抜くと癖になる訳ではありません。

[症例1]両変形性膝関節痛(78才・女性)

この女性は、飲食店を経営し、休みには駅前のジムでお風呂に入るなど、ずっとアクティブな生活をされてきました。
特にきっかけは無く、1~2ヵ月前より徐々に両膝の膝蓋骨の直下からやや内側にかけて痛むようになり、歩くことにも支障が出てきました。特に左膝の痛みが強く、初診時は荷物も持てず娘さんに付き添われ来院されました。

初回の診察時は、仰向けで寝た状態で右膝の曲げ伸ばしはかろうじてできましたが、左膝は痛みが強く少しづつでなければ伸ばすこともできない状態でした。さっそく、遠絡療法により中枢の腰部脊髄の治療を行いました。

腹部の治療ポイントに、ソフトレーザーによる照射を1セット2分30秒、計4セット(約10分)実施したところ、背臥位での膝の曲げ伸ばしは左右ともスムーズになりました。立ち上がって歩いたところ、足に体重をかけた時の痛みも完全に無くなり、患者様も大変驚かれ感激された様子でした。

解説:

典型的な中枢性膝痛でした。腰部脊髄の治療で、1回目の治療後5日間は痛みなく過ごされ、その後、3回ほど治療されて、ほぼ完治されました。両膝痛が出てから、治療を開始されるまでの期間が比較的短かったことが功を奏したと推測します。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

医療従事者向け

1-変形性膝関節症

変形性膝関節症の原因は加齢、肥満や遺伝子素因によって、関節軟骨の退行性変化を基盤として、徐々に関節の破壊、変形を来す疾患です。

また骨折、靭帯損傷、半月板損傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。

男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高く、加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使い過ぎによりすり減り、関節が変形を起こし、膝の痛みと水が溜まります。

加齢など様々な要因によって関節軟骨や半月板の変性、断裂摩耗が起こり、それに続発して骨の骨棘形成、軟骨下骨の骨硬化や二次性骨膜炎が生じます。

正常 軽度 中程度 重度

骨と骨のすき間が少し狭くなり軟骨が減っている 関節軟骨や半月板がすり減り、骨と骨のすき間がさらに狭くなります。 軟骨や半月板がほとんどなくなり、骨がむき出しになって、骨と骨が直接触れ合うようになります
立ち上がる時に痛む
動き始めに痛む
こわばる
正座しにくい
階段の登り降りが痛む
水が溜まる
じっとしても痛い
曲げ伸ばしは困難
物理療法
運動療法
ヒアルロン酸注射
遠絡適用
物理療法
運動療法
ヒアルロン酸注射
遠絡適用
歩行困難
物理療法
運動療法
ヒアルロン酸注射
手術後、遠絡適用

[治療:変形性膝関節のリハビリ]

►関節軟骨は動かすと元気になる

2-膝半月板の断裂(形態分類と検査法)

縦断裂 横断裂 水平断裂 バケツ柄状
断裂
弁状断裂 変性断裂

若年者のスポーツ外傷 若年者のスポーツ外傷
中高年
小児の円板状半月板損傷
中高年
断裂した半月板が膝のロッキングを生じる 縦断裂・横断裂水平断裂の混合引っかかり感を生じやすい 関節軟骨の変性を合併しやすい
中高年

指を膝関節内側、外側に当てた状態で下腿に内旋、外旋ストレスを加えながら伸展していく

下腿を下方に圧迫しながら内旋、外旋させる
治療の中心は物理療法、運動療法、遠絡療法。半月板外縁1/3は血管あり、辺縁部の損傷では癒合する可能性があり、中央2/3は血管がないため、自然治癒は期待できない。半月板中央2/3の割れや割れが大きく、明らかなひっかかりが続くような場合は関節鏡視下手術で割れた部分を切除する場合もあります。

[膝半月板断裂に対する運動療法]

脚上げ体操

床から踵を10cm離した位置で5秒間静止

横上げ体操

床から踵を10cm離した位置で5秒間静止

ボール体操

太ももの内側でボールをつぶし5秒間保持し、その後、力を抜く20回繰り返す

3-膝靭帯損傷

1)内側側靭帯(MCL)損傷

2)外側側靭帯(LCL)損傷

3)前十字靭帯(ACL)断裂

4)後十字靭帯(PCL)断裂

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